2022年前半
2022 6/26
電磁場の量子化をするには、ゲージをクーロンゲージに固定して 電磁場の独立な自由度を進行方向に対して垂直な二つの方向にとり、 場をモード展開してそのモードに正準交換関係を課すといいらしい。 ただ、クーロンゲージに固定すると、ローレンツ不変性が失われるらしい。 これは自分で確認する必要がある。もしこれが本当だとすると、特別な慣性系を 選んだことになるだろうか。 理論の一般性を持たせたまま量子化できた方が美しい気がするのだが、これは可能だろうか。
2022 5/22
もう一度電磁場について考えてみた。 電磁場を記述するマクスウェル方程式は、 電場と磁場の6つの未知数に対して8個の方程式となっているので、扱いにくい。 見通しをよくするためにベクトルポテンシャルとスカラーポテンシャルを導入すると、 方程式は未知数4つに方程式4つとなり、扱いやすくなるが、ゲージ変換に対する不変性を残す。 どのゲージを選んでも理論が不変なのであれば、できるだけ記述が簡単になるようにしたいはず。 そこでCoulombゲージを選んでやることにすると、相対論的共変性を失う代わりに方程式をシンプルに表せる。 ゲージ固定は必須ではないが、シンプルに定式化を進めるために使うと便利ということだろうか。 ゲージ不変性をのこしたまま議論を進めることはできるが、 どのゲージを選んでも最終的に得られる電磁場の振る舞いは変わらない。 それなら、なるだけ簡単に扱えた方がよい、というスタンスな気がする。 また、多くの場の量子論の本で、スカラー場とDirac場の量子化から入って、 その結果を踏襲して電磁場の話に入っているが、いきなり電磁場を扱うよりは、その方がよいだろうか。 上で述べたゲージ固定の話や、さらには偏光の自由度もあるので、はじめに扱うには適切ではないのだろうか。 もう一度、なにか一つのテキストを通読してから場の量子論づくりをやってもよいかもしれない。 Mandl, Shawあたりがいいかな。
2022 5/18
最近は物理をする時間があまりとれていない。 平日はプログラミング関連の勉強に時間をとられている。 ゲージ固定が電磁場を扱ううえで必須なのかどうかまだ確信が持てない。 週末にもう一度考えてみよう。
2022 5/5
場の量子論を始めるにあたって、一番身近な量子電磁気学から始めるのが良いと思うのだが、 先に多体の量子力学で粒子数保存を破るような理論として場の量子論を考えるのがよいのか、 古典場の方程式を用意しておいて、場の量子化を実行するのがよいのか、考え中。 また、電磁場は量子力学で古典場だったので、電磁場については量子化が必要だが、 ゲージ不変性の議論をどうするかという問題もある。 平日には仕事の勉強もしたいので、無理のない範囲で進めていこう。
2022 2/23
博士論文執筆や研究などで前回の更新から半年以上あいてしまったが、そろそろ再開しようと思う。これを期にサイト自体をリニューアルするのもありだと考え、現在は企画発案・コーディング中。場の量子論の理解が中途半端なままアカデミアを離れることになったが、自分で勉強して、より深い理解を得たいので場の量子論メインで記事を更新していきたい。深い理解を得るには、自分で理論を作って、人に説明すれば良いと考えている。最近では、場の量子論でもわかりやすい日本語の本や解説記事が増えてきているが、ネット記事でまとまった量の解説のあるページというのはまだ少ないと思うので、こういう活動には多少の意義があるのではないか。記事の出来によっては読者の不要な混乱を招くことになりかねないので慎重に進めていこう。