QCDのラグランジアン
ここでは自由なクォークのラグランジアン
がSU(3)ゲージ変換のもとで不変であるとすると,強い相互作用を記述するQCDのラグランジアンを導くことができることを簡単に示す.また,和はフレーバーについての和で,カラーの添え字は省略している.
まず,クォーク場
を考える.ただし,
となって,不変にはなっていない.ただし
に置き換える.この
となる.これによってクォークとグルオンの相互作用項が追加されたことが分かる.
さらにラグランジアンが
というゲージ共変性を持つ必要があるので
である.よって
と書けるので,グルオンのゲージ変換性が分かる.
ただし
と表せる.ただし
となることを用いた.ここで
となる.
ここで,量子電磁気学の場合では光子場の運動項は電磁場テンソルを用いて
となり,最後の式は
まとめると
となる.これにCP不変性を破るが運動方程式には影響しない
を加えて
となる.このラグランジアンによる場の量子論がQCDである. よって,QCDは非可換ゲージ理論の一種である.
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