書評 スタンフォード式 最高の睡眠

著者:西野精治

出版社:サンマーク出版

本書は最高の睡眠を取るための実践的な方法を説明した本である。忙しく活躍されている方が多い日本の現代社会で、一度は睡眠に不満をもったことのある人がほとんどなのではないかと思います。この本はそんな人たちに対して、睡眠の役割とその重要性から始めて、最高の睡眠に到達するまでの実践的な手助けをしてくれます。本書で定めるところの「最高の睡眠」とは、「脳・体・精神」のコンディションを各人の中で最高のものに高める睡眠、と説明していて、量よりも質に重きをおいています。

眠っている間、脳は活動中に溜まった老廃物を処理したり記憶の整理・定着を行ったりといった重要な活動を行い、次の活動を問題なく過ごすための準備をしています。睡眠の質を高めることは、この脳の活動を効率化して、起きたときに心身ともに準備完了の状態を迎えることです。

また驚くべきことに、睡眠全体の質を上げるという問題は寝始めの90分間で以下に良質の睡眠が取れるかという問題に置き換えられるということです。 さらにこの問題を解決するための条件として体の深部体温と皮膚体温の差を小さくすることがわかっているそうです。一般的に、深部体温が皮膚体温よりも高いので、寝始めに深部体温をいかにスムーズに下げるのかが鍵になります。

本書の前半では以上のことが述べられ、後半ではそれを実行するためにどのような方法があるかを解説しています。個人的には、睡眠研究はまだまだ道の部分が多く、各個人がベストのやり方を模索する必要があると思いますが、ここで述べられている事項は根拠がしっかりと示されているので納得しやすいです。 睡眠に不満がある方、日中のパフォーマンスを高めたい方、健康に関心がある方におすすめです。


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