書評 1440分の使い方

著者:Kevin Kruse, 訳者:木村千里

出版社:パンローリング株式会社

本書は、時間管理によって自分の成し遂げたいことを実現するための方法を提案してくれる本である。 ほかの多くのビジネス書でも同様のテーマを扱っているが、本書ではマインド的な話に終わらず、 時間管理につなげるために具体的に何をすべきかを提案しているところが実際的でよかったように思う。

この手の本は多くあるので、いくつか読んでみて、自分に合うと思うものを1冊手元に置いておくと気を引き締めるのに役立つだろう。 その点でいえば本書のタイトルにもある1440分というのはインパクトがあってよい。 1440分というのは1日を分換算したものだが、そんな見方をしたことがなかったので斬新だと感じた。 忙しくなって、思うように動けていないと感じたら本書を手に取って自分のために時間を使うことができているか、考えてみるとよい。 本書では様々な例とともに成功者がどのように時間をコントロールするのかを示してくれているが、特に重要なことだと読み取れたのは以下の3点である。

  1. 周りに流されず、自分で自分の時間をコントロールする。
  2. やることの洗い出しに終わらず、実行するスケジュールに取り入れる。
  3. 集中力を上げて、効率よく仕事をこなすことができれば時間ができる。

具体的にどうすればよいのか、ということを一つずつ例を出してみる。 まず1つ目について、自分でコントロールできる時間を作る、と読み替えて、1日のうち、誰にも邪魔されない時間を1時間とって、自分がやりたかったことのために使うのがよいと思う。働いたりしていると、日中は自分で時間をコントロールすることは難しいので、例えば朝か夜に1時間だけ確保してみるというのがよいだろう。

2つ目は、もともと具体的である。自分のやりたいことに関してTODOリストを作ってみて、そこで終わらずに、例えばリストの上位3つを実際に自分のスケジュール帳に予定として入れてしまう。予定として入ってしまえば、後は実行するだけである。

最後に3つ目を実行するためには、7時間以上の良質の睡眠を確保することと、シングルタスクで取り組むことが有効である。ただし睡眠時間は人によってベストな長さがあるので、自分で調節すべきだと思う。


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